「新NISAを始めたいけど、投資信託が何千本もあって、どれを選べばいいか分からない」「銀行ですすめられた投資信託、本当に買って大丈夫?」――投資信託選びは、初心者がつまずきやすい最初の関門です。
実は、投資信託選びにはいくつかの「鉄則」があります。これを知らずに、銀行や証券会社にすすめられるまま買ってしまうと、手数料の高い商品で損をすることも。逆に、ポイントさえ押さえれば、初心者でも失敗しないファンド選びができます。
この記事では、投資信託の仕組み・失敗しない選び方・コスト比較の重要性を、2026年版の最新情報でわかりやすく解説します。

投資信託とは?基本の仕組み

投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を一つにまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散投資し、その成果を投資家に還元する金融商品です。
1人では難しい「分散投資」を、少額から手軽にできるのが最大のメリット。たとえば、1本買うだけで世界中の何千社もの株式に分散投資できる商品もあります。投資のプロが運用してくれるため、初心者でも始めやすいのが特徴です。
インデックス型とアクティブ型
投資信託は、大きく2種類に分けられます。
| インデックス型 | アクティブ型 | |
|---|---|---|
| 運用方針 | 指数(日経平均・S&P500等)に連動 | 指数を上回ることを目指す |
| 手数料(信託報酬) | 安い(年0.1〜0.2%程度) | 高い(年1〜2%程度) |
| 成績 | 市場平均並み | 市場平均を上回ることも下回ることも |
| 初心者向き | ◎ | △ |
意外かもしれませんが、長期的には、低コストの「インデックス型」が、高コストの「アクティブ型」の多くを上回る成績を出すことが、数々のデータで示されています。初心者はまず、インデックス型から選ぶのが鉄則です。
失敗しない投資信託の選び方5つのポイント

①信託報酬(手数料)が低い
最重要ポイントです。信託報酬は、保有している間ずっとかかり続けるコスト。年0.2%以下を目安に選びましょう。低コストであるほど、長期的なリターンが大きくなります。
②純資産総額が大きい
そのファンドに集まっているお金の総額です。純資産総額が大きい(数百億円以上)ほど、多くの人に選ばれている人気で安定したファンドの証。小さすぎると、運用が打ち切られる「繰上償還」のリスクがあります。
③インデックス型を選ぶ
前述の通り、初心者は低コストのインデックス型が基本。全世界株式(オルカン)や米国株式(S&P500)に連動するファンドが定番です。
④購入時手数料が無料(ノーロード)
買うときに手数料がかからない「ノーロード」の商品を選びましょう。新NISAのつみたて投資枠の対象商品は、基本的にすべてノーロードです。
⑤分配金は「再投資型」を選ぶ
分配金を受け取らず、自動で再投資するタイプを選ぶと、複利の効果を最大化できます。長期の資産形成では、分配金を出さずに再投資するファンドのほうが有利です。
「信託報酬」が将来のリターンを大きく左右する

「たかが手数料」と侮ってはいけません。信託報酬は、保有期間中ずっとかかり続けるため、長期になるほど大きな差になります。
具体例:信託報酬0.1% vs 1.5%
毎月3万円を30年間積み立て、運用利回りが同じ年5%だったと仮定し、信託報酬だけが違う2つのファンドを比較します。
| 信託報酬 | 30年後の資産(概算) |
|---|---|
| 0.1%(低コスト) | 約2,450万円 |
| 1.5%(高コスト) | 約1,950万円 |
| 差額 | 約500万円 |
信託報酬がわずか1.4%違うだけで、30年後には約500万円もの差が生まれます。これが、低コストのファンドを選ぶことが何より重要な理由です。「リターンは予測できないが、コストは確実に下げられる」。だからこそ、コストにこだわるべきなのです。
初心者がやりがちな投資信託選びの失敗
投資信託選びで初心者が陥りやすい失敗を知っておけば、同じ間違いを避けられます。代表的な失敗例を見ていきましょう。
①銀行・証券窓口ですすめられるまま買う
銀行や証券会社の窓口ですすめられる商品は、手数料の高いアクティブ型が多い傾向があります。窓口にとっては手数料が収益源だからです。すすめられるまま買うのではなく、自分で低コストのファンドを選ぶことが大切です。
②「人気ランキング1位」だけで選ぶ
ランキングは参考になりますが、それだけで選ぶのは危険です。一時的にテーマが注目されて急騰しているファンドは、その後下落するリスクもあります。ランキングよりも、信託報酬とインデックス型かどうかで判断しましょう。
③テーマ型ファンドに飛びつく
「AI関連」「脱炭素」など、特定のテーマに投資するファンドは、話題性はありますが、信託報酬が高く、流行が去ると大きく下落するリスクがあります。初心者は、こうしたテーマ型より、幅広く分散された全世界株式や米国株式のインデックスファンドが無難です。
④たくさんのファンドを買いすぎる
「分散のため」と何本もファンドを買う人がいますが、全世界株式のインデックスファンド1本で、すでに世界中に十分分散できています。多くのファンドを買うと管理が複雑になるだけ。シンプルに1〜2本に絞るのがおすすめです。
初心者におすすめの王道ファンドタイプ
「結局、何を選べばいいの?」という方のために、初心者に人気の王道ファンドタイプを紹介します。いずれも新NISAのつみたて投資枠で買える、低コストのインデックスファンドです。
- 全世界株式(オルカン)型:これ1本で世界中の株式に分散投資。最も分散が効いており、迷ったらこれ
- 米国株式(S&P500)型:米国の主要500社に投資。成長性を重視する人に人気
- 先進国株式型:日本を除く先進国に投資。米国偏重を避けたい人向け
どれを選んでも大きな失敗にはなりにくいですが、初心者で迷ったら「全世界株式(オルカン)」を選んでおけば、世界経済全体の成長を取り込めるため安心です。1本でシンプルに完結するのも魅力です。
投資信託選びでよくある疑問 Q&A
Q:信託報酬は何%以下なら安いですか?
A:インデックスファンドなら、年0.2%以下が一つの目安です。近年は0.1%を切る超低コストのファンドも登場しています。同じ指数に連動するファンドなら、コストが低いほうを選びましょう。
Q:純資産総額はどれくらいあればいい?
A:最低でも数十億円、できれば100億円以上が安心の目安です。純資産が右肩上がりに増えているファンドは、多くの人に支持されている証拠で、繰上償還のリスクも低くなります。
Q:アクティブ型は買ってはいけないの?
A:絶対ダメというわけではありません。ただ、長期的にインデックスを上回り続けるアクティブファンドはごく一部で、見極めが難しいのが実情です。初心者はまずインデックス型から始め、慣れてきてから検討するのがよいでしょう。
Q:どこで買うのがおすすめ?
A:SBI証券や楽天証券などのネット証券がおすすめです。取扱本数が多く、低コストのファンドが揃っており、口座開設・維持費も無料。銀行よりも有利な商品を選べます。
投資信託の「目論見書」で確認すべきこと
投資信託を買う前には、「目論見書(もくろみしょ)」という説明書を確認しましょう。難しそうに見えますが、見るべきポイントは限られています。
- 投資対象:何に投資するファンドか(全世界株式・米国株式など)
- 信託報酬:保有中にかかるコスト(年率)
- 購入時手数料:無料(ノーロード)か
- 分配方針:分配金を出すか、再投資するか
- リスク:どんな価格変動リスクがあるか
これらをチェックするだけで、そのファンドが自分に合っているかを判断できます。ネット証券のファンド詳細ページにも同じ情報が載っているので、買う前に必ず目を通す習慣をつけましょう。
ファンドを買った後にやるべきこと
投資信託は「買って終わり」ではありません。ただし、頻繁に売買する必要はなく、むしろ「ほったらかし」が基本です。買った後にやるべきことは、次の通りです。
①基本は長期保有・ほったらかし
インデックスファンドは、長期で持ち続けることで真価を発揮します。短期的な値動きで売買を繰り返すと、かえって成績が悪くなりがち。一度買ったら、どっしり構えて長期保有しましょう。
②年に1〜2回、資産状況を確認
毎日チェックする必要はありませんが、年に1〜2回は、資産全体のバランスを確認しましょう。当初決めた資産配分から大きくズレていたら、調整(リバランス)を検討します。
③積立を淡々と続ける
選んだファンドを、毎月コツコツ積み立て続けることが、資産形成の王道です。相場が下がっても積立をやめず、淡々と続けることが、長期的な成功につながります。
投資信託選びは、最初の一歩こそ慎重に行うべきですが、低コストのインデックスファンドを選んでしまえば、あとはシンプルです。難しく考えすぎず、「低コスト・インデックス・長期保有」の3原則を守って、コツコツ資産を育てていきましょう。
「信託報酬」以外の隠れコストにも注意
投資信託のコストは、信託報酬だけではありません。あまり知られていない「隠れコスト」もあるので、押さえておきましょう。
- 購入時手数料:買うときにかかる手数料(ノーロードなら無料)
- 信託報酬:保有中ずっとかかる運用管理費用(最重要)
- 信託財産留保額:解約(売却)時にかかる費用(かからない商品も多い)
- その他費用:監査費用や売買委託手数料など(運用報告書で確認できる)
低コストのインデックスファンドを選べば、これらのコストはいずれも低く抑えられます。逆に、高コストのアクティブファンドは、信託報酬だけでなく、こうした隠れコストも高めになりがちです。トータルのコストを意識することが、長期リターンを高めるコツです。
「同じような中身なら、コストが低いほうを選ぶ」。このシンプルな原則を守るだけで、長期的には大きな差が生まれます。投資信託選びで迷ったときは、ぜひこの記事のチェックポイントを思い出してください。
同じ指数なら「中身はほぼ同じ」
知っておくと安心なのが、「同じ指数に連動するインデックスファンドは、中身がほぼ同じ」という事実です。たとえば、複数の会社が出している「S&P500連動ファンド」は、どれも同じS&P500指数に連動するので、運用成績に大きな差は出ません。
では何で選ぶかというと、やはり「コスト(信託報酬)」です。中身がほぼ同じなら、コストが低いファンドを選ぶのが合理的。同じ指数のファンドが複数あって迷ったら、信託報酬が最も低いものを選べば間違いありません。ブランドや会社名ではなく、コストで選ぶ。これが投資信託選びの鉄則です。
投資信託は、正しく選べば、忙しい現役世代でも手間をかけずに資産を育てられる、心強い味方です。一方で、選び方を間違えると、高い手数料で損をし続けることにもなりかねません。だからこそ、最初のファンド選びだけは、この記事のポイントを参考に慎重に行いましょう。一度、低コストの優良ファンドを選んでしまえば、あとはコツコツ積み立てるだけ。あなたの資産形成が、力強くスタートすることを願っています。
なお、ファンド選びに迷ったときは、金融庁が「つみたて投資枠」の対象として認めた商品リストから選ぶのも一つの方法です。これらは長期・積立・分散投資に適していると国がお墨付きを与えた商品なので、初心者にとって安心の目安になります。
まとめ:低コストのインデックス型が王道

投資信託の選び方のポイントをまとめます。
- ✅ 投資信託は、少額で分散投資ができる初心者向きの商品
- ✅ 初心者は低コストの「インデックス型」が基本
- ✅ 選ぶ基準は「①信託報酬が安い ②純資産が大きい ③インデックス型 ④ノーロード ⑤再投資型」
- ✅ 信託報酬の差は、30年で数百万円の差になる
- ✅ 全世界株式・米国株式のインデックスファンドが定番
投資信託は何千本もありますが、選ぶ基準を知っていれば、初心者でも失敗しないファンド選びができます。ポイントは「低コストのインデックス型」を選ぶこと。銀行や証券会社の窓口ですすめられる高コストの商品ではなく、自分でネット証券から低コストのファンドを選ぶのが、賢い資産形成の第一歩です。まずは全世界株式や米国株式のインデックスファンドから始めてみましょう。
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