
NISAの口座を開いたはいいけど、「結局何を買えばいいの?」と迷っていませんか?投資信託は数千本以上あり、初心者には選び方がわかりにくいのが正直なところです。この記事ではプロも認めるおすすめ2本に絞って、選び方の基準から実際の買い方まで丁寧に解説します。「どれか1本だけ選ぶなら?」という問いに、自信を持って答えられるようになります。
結論から言うと、初心者は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」1本で十分です。ただ、それだけでは「なぜこれなのか」が腑に落ちないと続けられません。選び方の理由まで理解することで、値下がり時にも動揺せず長期保有できるようになります。
投資信託を選ぶ3つの基準

まず前提として、投資信託を選ぶときに見るべきポイントは3つだけです。この3つさえ押さえれば、数千本の中から迷わず選べます。
① 信託報酬(手数料)が低いこと
投資信託を保有している間、毎年かかるコストです。年0.1%と年1%では、20年・30年の長期運用で最終的な手取りが大きく変わります。目安は年0.2%以下。長期運用では手数料の差が複利で積み重なり、最終的な資産額に数十万〜数百万円の差が生まれることもあります。銀行や証券会社の窓口で勧められるファンドは手数料が高いものが多く注意が必要です。
② 分散度が高いこと
1つの国・企業に集中するより、世界中に分散した方がリスクを抑えられます。「全世界株式」や「米国株式インデックス」は何百〜何千もの企業に自動で分散投資されるため、1社が倒産しても大きなダメージを受けません。特定のテーマ型(AIや半導体など)のファンドは一見魅力的ですが、ブームが終わると大きく値下がりするリスクがあります。
③ 長期の実績があること
新しいファンドより、10年以上の運用実績があるものの方が安心です。過去のデータで値動きのパターンを確認でき、長期投資の根拠になります。この3つを満たした上で、初心者に特におすすめできる投資信託が以下の2本です。
おすすめ① eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 信託報酬 | 年0.05775%(業界最低水準) |
| 投資対象 | 世界47カ国・約3,000銘柄 |
| 特徴 | 「これ1本でOK」と言われる定番中の定番 |
通称「オルカン」と呼ばれ、NISAで最も人気の高いファンドです。米国・欧州・日本・新興国など世界中の株式に自動で分散投資されます。「どれか1本だけ選ぶなら?」と聞かれたら、多くの専門家がこれを推薦します。
世界経済が長期的に成長し続けるという前提のもと、特定の国や地域に偏らずに利益を取り込める設計です。米国が不調でも欧州や新興国が補い、逆もしかり。地域分散のリスク軽減効果が非常に高いのが最大の魅力です。信託報酬は年0.05775%と驚くほど低く、100万円運用しても年間わずか578円のコストです。
こんな人におすすめ:何も考えずにほったらかしで運用したい人・特定の国に偏らずリスクを分散させたい人・初めての投資信託で迷っている人
おすすめ② eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 信託報酬 | 年0.09372%(超低コスト) |
| 投資対象 | 米国主要500社(Apple・Microsoft・Amazon等) |
| 特徴 | 過去30年で年平均約10%のリターン実績 |
S&P500はアメリカの主要500社に投資するインデックスです。世界経済をリードするGAFAMなどの大企業が含まれており、長期的な成長力が高く評価されています。過去のデータでは、20年以上保有するとほぼ全ての期間でプラスになっています。
オルカンとS&P500のどちらを選んでも正解です。実際、オルカンの約60%は米国株で構成されているため、両者の成績は似ています。迷ったらオルカン、米国の成長にかけたいならS&P500という感覚で選んで問題ありません。どちらも同じ証券口座で積立設定できます。
こんな人におすすめ:米国経済の成長に強気な人・長期での高リターンを狙いたい人・オルカンと迷ったらこちらでもOK
オルカンとS&P500、どちらを選ぶべき?
| オルカン | S&P500 | |
|---|---|---|
| 投資範囲 | 全世界47カ国 | 米国のみ |
| 米国比率 | 約60% | 100% |
| 信託報酬 | 年0.05775% | 年0.09372% |
| 過去10年リターン | 年平均約11% | 年平均約13% |
| リスク分散 | ◎ 世界分散 | ○ 米国内分散 |
過去実績だけ見るとS&P500がやや優勢ですが、これは米国が好調だった時期が長かったためです。今後も米国が世界経済をリードし続けるかは誰にもわかりません。「米国が世界最強であり続けると信じるならS&P500、そうでなければオルカン」という判断基準で選びましょう。どちらを選んでも10〜20年後に大きな後悔はないはずです。
買ってはいけないファンドの特徴
良いファンドを知るだけでなく、避けるべきファンドの特徴も知っておくと選択ミスを防げます。
- 信託報酬が年1%を超えるもの:長期運用でコストが膨らむ。アクティブファンドに多い
- 毎月分配型:頻繁に分配金が出ると複利効果が薄れ、長期では不利になりやすい
- テーマ型ファンド(AI・半導体・メタバースなど):ブームに乗って購入しても、ピーク後に大きく値下がりするリスクが高い
- 元本確保型・ファンドラップ:手数料が非常に高く、長期では普通のインデックスファンドに勝てないケースがほとんど
銀行や証券会社の窓口で「おすすめ」として勧められるファンドは、金融機関の利益が大きいものが多い傾向にあります。自分でネット証券から選ぶことが、コストを抑える最善の方法です。
どれを選べばいいか迷ったら

「米国一強がこれからも続くと思いますか?」
- はい → S&P500
- わからない・どちらでもいい → オルカン
迷ったらオルカンを選んでおけば間違いありません。世界中に分散されているため、どの国が成長しても恩恵を受けられます。大切なのはファンド選びに時間をかけすぎず、早く始めることです。
積立設定の手順(SBI証券・楽天証券の場合)
- 証券口座にログインし、「投資信託」「つみたてNISA」のメニューを開く
- ファンドを検索(「eMAXIS Slim 全世界株式」などで検索)
- 積立金額を設定(月3,000円〜でOK。少額から始めて慣れたら増額)
- 引落日を設定(毎月1日・10日など好きな日でOK)
- 設定完了。あとは毎月自動で買付が実行される
設定は一度やってしまえば放置でOKです。株価が上がっても下がっても、毎月コツコツ積み立てることで平均購入単価を抑えるドルコスト平均法の効果が働きます。「相場が下がったとき=安く買えるチャンス」と考えれば、値下がりも怖くなくなります。
よくある質問Q&A
Q1. 複数のファンドを買い分けた方がいいですか?
A. 初心者はまず1本に絞るのがおすすめです。オルカン1本でも世界中に十分分散できています。「分散のために複数買う」のはかえってコスト増になることも。慣れてきてから追加を検討しましょう。
Q2. いつ買えばいいですか?タイミングは?
A. 「毎月決まった額を積み立てる」のがベストです。高いときも安いときも一定額を買い続けることで平均購入単価を下げられます(ドルコスト平均法)。タイミングを読もうとするより、とにかく今すぐ始めることが大切です。
Q3. 途中でファンドを変えてもいいですか?
A. 問題ありません。ただし売却すると非課税枠を消費してしまうため、最初からじっくり選ぶのがベターです。
Q4. 分配金が出るファンドの方がいいですか?
A. NISA長期運用の場合は分配金なし(再投資型)の方がお得です。分配金が出ると複利効果が薄れるため、資産をそのまま増やし続ける再投資型を選びましょう。eMAXIS Slimシリーズはすべて再投資型です。
Q5. 投資信託とETFどちらがいいですか?
A. 積立NISAで自動積立するなら投資信託の方が便利です。ETFは株式と同様にリアルタイムで売買できますが、自動積立設定ができないケースも多く、初心者には扱いにくい面があります。まずは投資信託からスタートしましょう。
まとめ
- 投資信託は信託報酬の低さ・分散度・実績の3つで選ぶ
- 迷ったらeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)一択
- 米国成長を信じるならS&P500も優秀な選択肢
- 毎月分配型・高コストファンドは長期では不利なので避ける
- 毎月自動積立設定にしたらあとは放置でOK
- 大切なのはタイミングより「今すぐ始めること」
どのファンドを選んでも、始めない人との差は開き続けます。完璧なファンドを探すより、今日口座を開いて積立設定をすることの方がはるかに重要です。まずはオルカンを月1万円から始めてみましょう。


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