「確定申告って自分に関係あるの?」「副業を始めたけど申告が必要?」「医療費がたくさんかかったけど、お金が戻ってくるって本当?」――確定申告は難しそうに感じますが、仕組みを理解すれば、払いすぎた税金を取り戻せる大切な手続きです。
実は、確定申告をすることで「数万円〜数十万円」の還付金が戻ってくるケースは珍しくありません。会社員でも、医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除などを申告すれば、税金が戻ってきます。
この記事では、確定申告の基礎知識・申告が必要な人・控除の種類・e-Taxでの申告手順まで、初心者向けに2026年版の最新情報でわかりやすく解説します。

確定申告とは?基本をやさしく解説
確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得とそれに対する税金を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。申告期間は原則として翌年の2月16日〜3月15日です。
会社員の場合、毎月の給与から所得税が天引き(源泉徴収)され、年末調整で精算されるため、基本的には確定申告は不要です。しかし、年末調整では対応できない控除(医療費控除・ふるさと納税の一部・住宅ローン控除の初年度など)がある場合は、自分で確定申告をすることで払いすぎた税金が戻ってきます。
確定申告には2種類ある
- 納税の申告:副業・個人事業などで所得があり、税金を納める必要がある場合
- 還付の申告:払いすぎた税金を取り戻す場合(医療費控除・住宅ローン控除など)
「還付申告」は、申告期間に関係なく、対象となる年の翌年1月1日から5年間いつでも申告できます。「過去に医療費がたくさんかかったのに申告していなかった」という場合も、5年前まで遡って還付を受けられる可能性があります。
確定申告が必要な人・したほうがいい人

確定申告が「必要」な人
- 個人事業主・フリーランス(事業所得がある)
- 副業の所得が年間20万円を超える会社員
- 給与収入が2,000万円を超える人
- 2か所以上から給与をもらっている人
- 不動産所得・株式の売却益(特定口座以外)がある人
- 公的年金等の収入が400万円を超える人
確定申告を「したほうがいい」人(還付の可能性)
- 医療費が年間10万円を超えた人(医療費控除)
- ふるさと納税を6自治体以上に行った人
- 住宅ローンを組んで1年目の人(住宅ローン控除)
- 年の途中で退職して年末調整を受けていない人
- 災害・盗難にあった人(雑損控除)
- 特定の寄付をした人(寄附金控除)
特に「医療費控除」と「ふるさと納税」は、多くの会社員が対象になりながら申告し忘れている代表的な控除です。該当する方は必ずチェックしましょう。
知っておきたい主な控除の種類

確定申告で税金を取り戻すカギになるのが「控除」です。控除とは、所得や税額から一定額を差し引ける制度で、その分だけ税金が安くなります。代表的な控除を見ていきましょう。
①医療費控除
1年間に支払った医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合、超えた分が所得控除の対象になります。本人だけでなく、生計を共にする家族の医療費も合算できます。控除額の計算式は以下の通りです。
医療費控除額 =(1年間の医療費合計 ー 保険金などで補填された金額)ー 10万円
例:年間医療費が30万円かかった場合、30万円 ー 10万円 = 20万円が控除対象。所得税率20%の人なら、約4万円が還付されます。通院の交通費や市販薬も対象になる場合があります。
②ふるさと納税(寄附金控除)
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付すると、自己負担2,000円を除いた金額が所得税・住民税から控除される制度です。返礼品ももらえるため、実質2,000円で各地の特産品を楽しめます。
寄付先が5自治体以内であれば「ワンストップ特例制度」で確定申告不要ですが、6自治体以上に寄付した場合や、他の控除と併用する場合は確定申告が必要です。
③生命保険料控除・地震保険料控除
生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料を払っている場合、最大12万円の所得控除が受けられます。会社員は年末調整で対応できますが、申告し忘れた場合は確定申告で取り戻せます。
④扶養控除・配偶者控除
扶養している家族(子ども・親など)がいる場合、扶養控除(1人あたり38万円〜)が受けられます。配偶者の所得が一定以下の場合は配偶者控除・配偶者特別控除も対象です。
⑤住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、年末のローン残高の0.7%が所得税・住民税から控除されます(最大13年間)。会社員でも初年度のみ確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で対応できます。控除額が大きく、申告を忘れると数十万円を損する可能性があるため要注意です。
e-Taxでの確定申告の手順

確定申告は、税務署に行かなくても自宅からスマホ・PCで完結できる「e-Tax(電子申告)」が便利です。手順を見ていきましょう。
Step 1:必要書類を準備する
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- マイナンバーカード
- 各種控除証明書(医療費の領収書・保険料控除証明書など)
- 還付金を受け取る銀行口座情報
Step 2:国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、画面の案内に従って情報を入力します。マイナンバーカードとスマホ(マイナポータルアプリ)があれば、スマホで読み取って本人認証ができます。
Step 3:収入・控除情報を入力
源泉徴収票の内容や、医療費・ふるさと納税などの控除情報を入力します。画面の指示に従って数字を入れていくだけで、税額や還付金額が自動計算されます。
Step 4:申告書を送信
入力内容を確認し、マイナンバーカードで電子署名をして送信します。e-Taxなら税務署に行く必要も、書類を郵送する必要もありません。
Step 5:還付金を受け取る
還付申告の場合、申告から約3週間〜1か月半で指定した口座に還付金が振り込まれます。e-Taxのほうが書面提出より還付が早い傾向があります。
副業をしている人の確定申告のポイント
近年、会社員でも副業をする人が増えています。副業の確定申告について、特に押さえておきたいポイントを解説します。
「副業所得20万円ルール」とは
会社員(給与所得者)の場合、副業の「所得」が年間20万円を超えると確定申告が必要です。ここで重要なのは「収入」ではなく「所得」だという点です。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことです。
所得 = 副業の収入 ー 必要経費
例:ブログ・YouTube・ハンドメイド販売などで年間50万円の収入があっても、経費(サーバー代・材料費・機材費など)が35万円かかっていれば、所得は15万円となり、確定申告は不要になります(ただし住民税の申告は別途必要な場合があります)。
経費として認められる主なもの
- パソコン・スマホ・カメラなどの機材費(按分が必要な場合あり)
- インターネット・通信費(事業使用分)
- サーバー代・ドメイン代・ソフト利用料
- 仕事に使う書籍・教材費
- 取材・打ち合わせの交通費
- 仕事専用スペースの家賃・光熱費(按分)
経費をきちんと計上することで、所得を正しく抑え、納税額を減らすことができます。領収書やレシートは必ず保管しておきましょう。
20万円以下でも住民税の申告は必要
注意点として、「副業所得が20万円以下なら確定申告不要」というのは所得税の話です。住民税には20万円ルールがないため、副業所得がある場合は原則として市区町村への住民税の申告が必要です。確定申告をすれば住民税の申告も同時に済むため、迷ったら確定申告をしておくと安心です。
確定申告でよくある疑問 Q&A
Q:確定申告を忘れたらどうなりますか?
A:納税が必要なのに申告しなかった場合、「無申告加算税」や「延滞税」というペナルティが課されます。一方、還付申告(税金が戻るケース)の場合は5年以内であればいつでも申告できるため、慌てる必要はありません。
Q:医療費の領収書は提出する必要がありますか?
A:2017年分から、領収書の提出は不要になり、代わりに「医療費控除の明細書」を作成して提出します。ただし、領収書は5年間自宅で保管する義務があるので捨てないでください(税務署から提示を求められる場合があります)。
Q:マイナンバーカードがなくても確定申告できますか?
A:できます。マイナンバーカードがない場合は、税務署で発行される「ID・パスワード方式」を利用するか、書面で郵送・持参する方法があります。ただし、e-Taxをスムーズに使うにはマイナンバーカードの取得がおすすめです。
Q:青色申告と白色申告の違いは?
A:個人事業主向けの申告方法です。青色申告は事前の届出が必要ですが、最大65万円の特別控除など税制上の優遇が大きいです。白色申告は手続きが簡単ですが控除はありません。本格的に事業をするなら青色申告がおすすめです。
Q:還付金はいくらくらい戻りますか?
A:控除額と所得税率によって変わります。たとえば所得控除が20万円増えると、所得税率10%の人は約2万円、20%の人は約4万円が戻る計算です(住民税分も別途軽減されます)。複数の控除を組み合わせれば、数万円〜十数万円の還付になることもあります。
確定申告と資産形成をつなげる考え方
確定申告で還付されたお金や、節税で浮いたお金を、そのまま消費に回すのではなく「資産形成」に活用するのが賢い使い方です。たとえば、医療費控除やふるさと納税の還付金を新NISAのつみたて投資枠に入れれば、お金がさらにお金を生む流れをつくれます。
また、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額が所得控除の対象になり、確定申告(または年末調整)で申告することで大きな節税効果があります。「節税しながら老後資金を作る」というiDeCoの仕組みは、確定申告の知識とセットで活用することで効果を最大化できます。
税金の仕組みを理解することは、家計を守り、資産を増やすための重要なスキルです。確定申告は「面倒な義務」ではなく、「お金を守り・増やすための武器」と捉えて、ぜひ積極的に活用していきましょう。
確定申告の準備を早めに進めるコツ
確定申告を毎年スムーズに終わらせるには、日頃からの準備が大切です。申告シーズン(2〜3月)に慌てないための、年間を通じた管理のコツを紹介します。
①レシート・領収書は月ごとに保管する
医療費の領収書や、副業の経費レシートは、月ごとに封筒やクリアファイルに分けて保管しておきましょう。1年分をまとめて整理しようとすると大変なので、「もらったらすぐ保管」を習慣にすると、申告時の作業が格段に楽になります。
②家計簿アプリ・会計ソフトを活用する
マネーフォワードやfreeeなどの家計簿・会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携して、自動で収支を記録できます。副業をしている人は、確定申告に対応した会計ソフトを使うことで、申告書類の作成が大幅に効率化されます。
③医療費は家族分をまとめて管理する
医療費控除は生計を共にする家族の分を合算できます。家族全員分の医療費を1か所にまとめて記録しておくと、年間10万円を超えているかどうかの判断がしやすくなります。ドラッグストアで買う市販薬(風邪薬・胃腸薬など)も対象になる場合があるので、レシートは捨てずに保管しましょう。
④セルフメディケーション税制も検討する
通常の医療費控除とは別に「セルフメディケーション税制」という制度があります。これは、対象となる市販薬(スイッチOTC医薬品)の年間購入額が1万2,000円を超えた場合に、超過分(上限8万8,000円)が所得控除になる制度です。医療費が10万円に届かない人でも、市販薬をよく買う場合はこちらが使える可能性があります。ただし通常の医療費控除との併用はできず、どちらか一方を選ぶ必要があります。
このように、確定申告は「知っているかどうか」で戻ってくる金額が大きく変わります。制度を正しく理解し、こまめな準備を心がけることで、無理なく節税と還付を実現できます。
まとめ:確定申告は「お金を取り戻すチャンス」

確定申告のポイントをまとめます。
- ✅ 確定申告は1年間の所得と税金を計算する手続き(原則2/16〜3/15)
- ✅ 副業所得20万円超・個人事業主は申告が「必要」
- ✅ 医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除は申告で「お金が戻る」
- ✅ 還付申告は5年間さかのぼって申告可能
- ✅ e-Taxを使えば自宅からスマホ・PCで完結
「確定申告は面倒」と感じるかもしれませんが、医療費やふるさと納税の控除を申告するだけで数万円が戻ってくることも多くあります。払いすぎた税金は、申告しないと戻ってきません。まずは自分が対象になる控除がないかチェックしてみましょう。


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